• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2021.12.26

「本屋のあかり」紹介本『むき出し』

『むき出し』 兼近大樹 文藝春秋 1600円

私、今年の4月頃から突如としてお笑いコンビEXITにどハマりしまして、ファンクラブ「エントランス」にも入ってしまいました。
普段、お笑い番組を見ないのでずっと彼らのことは知らなかったのですが、YouTubeで知ったのかな?面白い人たちだなーとか思って一気に好きになってしまいました。特に、兼近くんが気になるんです。なんだか、嘘を言わないところとか、めちゃめちゃ頭の回転が早いところとか、ネタでも容姿いじりをしないところとかカッコいいところとか好きなところはたくさんあるのですが、特に知れば知るほどこの方、生い立ちが壮絶で、すごい貧乏だったのにこんなに売れるようになってお金も儲かってよかったね!と思うと同時にこの人これからどういう人生を歩んでいくんだろうか?と思うと、なんだか応援していきたいというか見続けていきたいなと思ったんです。
そんな彼が自分の生い立ちを元にした小説を出すということを、私がハマり出した頃からもう言っていて、5月11日の誕生日に出版されるのではと思っていたのですが、やっぱり本を出すのって大変なんですね。相当苦労したようで10月27日に店頭に並びました。私はちょうどその日、札幌にいたので、兼近くんの故郷北海道札幌市の紀伊国屋書店で買いました。実は、ファンクラブ会員限定の相方りんたろー君がカバー表紙を描いたというものをすでに予約していたのですが、こちら、届くのが11月中旬だというので「そんなんじゃ遅い!」と思って買ってしまいました。ファンて恐ろしいものですね。
ドキドキして読み始めると、まぁ、小説だから全て本当のことではないとは言っていましたが、ほんと色々あったのねー、こんな体験が今の兼近君を作り出したのねーと妙に納得してしまう、なんだか小説というよりはエピソードトークを繋げた読み物のような感じでした。正直、小説の完成度としてはどうなの?って感じだとは思うのですが、彼にしか書けない彼の物語という感じがしました。
兼近君がよく言う、ピースの又吉さんの本を読んで芸人になろうと思った。という話もしっかりと書かれていました。そこで、この本の出版記念にFANYマガジンという吉本興業が運営するWEBマガジンで対談をしている記事があり、この本を読んだ又吉さんの感想を語っていて、さすがだ!と思いました。
大好きで、目標としている人がこんな風に言ってくれて「よかったねー、かねちー!」
最後に、私が一番グッときたところをご紹介します。物語の主人公「石山」が、此処は俺をダメにすると悟り、生きてきた環境、繋がり、全てを捨てる決意をして札幌から東京に渡り、吉本の養成所に入ります。そこでの彼の試練が全てを物語っているようで泣けてきました。・・・・・・・・・・・・

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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