「本屋のあかり」紹介本『スマホ社会の落とし穴』
『スマホ社会の落とし穴』 清川輝基(てるもと) 内海裕美(ひろみ)共著 少年写真新聞社 1760円
今回ご紹介する本なのですが、NPO時をつむぐ会で先日、「スマホ社会の落とし穴」と題した清川先生の講演会を行いました。「なんで今更?もう万人に行き渡ってしまったものに今頃イチャモン付けても遅いよ!」なんて声も頂き、案の定、参加人数もかんばしくない中、私も参加したのですが、やっぱり今、聞いておいてよかったな!と思いました。家に帰って、この本『スマホ社会の落とし穴』を読みなおしました。もう何回も私は、このゲームやスマホなどについての警笛を鳴らす本をご紹介していると思います。またか!と思う方も大勢いるとは思います。でも、やっぱり何回でも私は皆さんに問いたいです。「楽だから、大人しくしているからという理由で赤ちゃんにスマホの画面を長時間見せること。」「周囲のみんなが持っているからという理由で小さい子にスマホを持たせてしまうこと。」についてのリスクをしっかり考えたことはありますか?別に私はこの超便利な文明の力(りき)を使うなとは絶対に言っていません。ただ、賢く使おうよ!!と言いたいのです。そして特に、高校生くらいになるまでは必要のない物だとも思っています。さらに、小学校入学前の子どもには本当に百害あって一利なしだとも思っています。
ここでちょっと長くなるのですが、聞いていただきたい話があります。11月の終わりからの1週間で、またまたうちの店には中学生のやるベンチャーさんが四人、通って来ていました。全員女の子でした。まぁ最初のうちはハキハキした子たちで良い子だなと思っていたのですが、最後の方はもうお喋りが止まらず騒がしかったです。でも、久しぶりにあんなに元気な女の子の集団を見られてちょっと嬉しくもありました。中学生なんて箸が転んでも笑うとかいう年頃じゃないですか?コロナでいろんなことを我慢させられてるんじゃないかと心配もあったので。受け入れる私たち家族も、あんまりお客様のこない店内にずっと押し込めてじっとさせているのもかわいそうだと思い、事前にいくつか配達する所や見学してもらうところを考えておきました。毎回、お弁当を持って来てもらっていたので、外で食べるのも良かろう!なんて思って私もお弁当を持って、ケルナー広場でみんなでお弁当を食べたりなんてこともしました。そんなこんなで、最終日になんとこの四人の娘さんたちが私にお手紙をくれました。毎回、やるベンチャーが終わった後、ひと月ほどすると「本日はお日柄もよく」的な挨拶で始まる、どこかに書いてある例文を参考にした面白くもないお礼状のような感想文のような手紙が送られてくるのですが、そういったものではなく彼女たちがどうしても伝えたいと思い書いてきたお手紙でした。可愛らしい封筒に入ったそれらのお手紙には「この4日間がとっても楽しかったこと。楽しすぎて時間が過ぎるのがあっという間で、もう終わってしまう事が信じられなく悲しい。いつか、またお客として本の家に行きます。それくらい大好きです。」ということが各々の文章で綴られていました。最後には「これからも頑張ってください!応援しています。」という謎のはげましまでいただきました。なぜでしょう?私は不思議でたまりませんでした。特別なことは何もしていないし、袋にシール張りやレジ打ちなど児童労働か?ってくらい働かせた側なのに・・・過去にも、「終わりたくない。帰りたくない。」と呟いた男の子もいました。こちらはギョッとしました。「えー!もうめんどくさいから早く帰って!!」とも思いました。本当になんでなの?私、考えました。私が心がけてやったこと。彼・彼女たちの話にできるだけ付き合うこと。私も考えていることを積極的に話すこと。子ども扱いしない。そして、みんなと喋っている間にはスマホをいじらない。あとは、学校に通ってる時間なんてあっという間に過ぎてしまうよ!むしろその後の人生のほうが長いんだからね!ってことを気付かせてあげる。って感じかな。今回来た子たちはもうどっぷりスマホやゲームに浸かっているような子たちだったけど、こんなにリアルな社会を楽しんでくれてよかったな!とも思いました。
結局、スマホとかゲームに病的にハマってしまう子ってそれこそ寂しいのかな?とも思いました。暇つぶしの延長で、ミイラ取りがミイラになるみたいな状態になってるのかななんて。
まぁ、余計なお世話なのかもしれないけれど。
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
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