2025.01.15
「本屋のあかり」紹介本 『あらゆることは今起こる』
『あらゆることは今起こる』柴崎友香 医学書院 2200円
この本は、作家の柴崎友香さんが自身の生きづらさに対して医者を探して診断を受けて発達障害と確定させてから、それに対しどう考え、対処方法を模索してきたかを克明に書き表している本です。私はこの本を、前回ご紹介した『われは熊楠』という本を読んでいる途中に並行してちょびちょびと読み進めてきました。もう、読みながら「熊楠の言動にあれ~、え~!って感じていたけれど、やっぱり絶対に彼はいわゆる発達障害を抱えた人だったに違いない」と確信しながら読んでいました。そうすると「天才となんとかは紙一重」っていうけど本当だな。とか彼を別の視点から見てしまったりしました。
昨今、発達障害の当事者が書く本って結構あるよな、と思うのですが、この本はもう本当に超具体的に自分の行動に対して事細かく描写して、そして深く思考していくんです。そして、自分ではこうして回避しているという具体例がたくさんあってすごく勉強になりました。
この人の描く小説も読んでみたいなという気にもなりました。そして実際に読んでみました。
あかり
あかり
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
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