「本屋のあかり」紹介本『地面師』
『地面師』 森功 講談社文庫 726円

いやー、数ヶ月前からNetflixに入っておいてよかったーって胸を撫で下ろしましたよ。何かって言うと、アレですよ、WBC。今度のWBCは民放での放送が無くって、放映権をNetflixが買ったんでしょ?だからそこでしか見れないんでしょ?よかった~セーフです。私、Netflixだけには入ってしまったら終わりだと思っていたのでずーっと遠巻きに見て近づかないようにしていたんです。なぜかって、あんなの入っちゃったら廃人になるまで世界中のドラマに映画に際限なく見続けてしまうに決まってるではないですか~。しかししかし、なんやかんやで入ってみてわかったのは、私ではなく母がハマったということです。たくさんのシーズンのあるドラマでも一度見始めると、次から次へとわんこそばのように提供され続けるので、止めることが難しいですよね。だから、最近母は朝から晩まで見続けています。
私は、というと、好みの幅が狭く面白くないものは見たくないのでまず、YouTubeなどで何がオススメかを調べまくりました。そしてリストを作ってから臨みました。まず、観たのが「地面師たち」でした。本当によく出来ていて映画を一本映画館で観たような満足感が得られました。そして、原作があると知って読んでみたのが、この本です。読み終わったのが現在なので結構間が空いてしまい、なんならもう一度このドラマ観たくなってしまいました。でも、この本の帯にある通り「ドラマよりも恐ろしい、本物の地面師たち!」って感じのびっくり本でした。「積水ハウス事件55億円」「アパグループ事件12億円」ってまず桁がそこらの詐欺師と全然違うし、書類偽造とかなりすまし役とかマジでやってんのか~、ってドキドキしながら読みました。
騙す相手も大手ディベロッパーやアパホテルなど大きなところなので、当然ながら弁護士、司法書士など出てくるんですが、その人たちを騙す方にも悪徳弁護士に悪徳司法書士がいるんですよね。そんでもってすんごく複雑怪奇なやり取りをしながら書類の手続きをしているうちにお金の流れや責任の所在が曖昧になっていき、結局、こいつが悪者だーと思って逮捕したとしても、全ての証拠を揃えられずに罪に問えず釈放なんてことにたいていなってしまうそうなんですよね。だから懲りずに何回も繰り返す黒幕がいて、あっちこっちで騙される人が出てくるみたいです。特に桁が大きいのは東京の一等地ですよねー。よく、山手線とか乗ってて、ビルの隙間に今にも崩れそうなボロい家とか森みたいになった空間とかポッと出現するのを見かけると、「すごいことになってるなー、誰かなんとかしないのかな?」なんて思っていたのですが、やっぱり曰く付きの土地だったんですね。
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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