「本屋のあかり」紹介本 『本と出会うとき』
254 今回のテーマ 「本と出会うとき」
すみません、今回は本の紹介じゃなくなっちゃいます。
なんだか最近、というか本屋と言う仕事につきはじめてからずーと考えていることなんですが、「子どもに本を読むと良い」「子どもに絵本を与えることの意味」「なんで私は本を読み、オススメするのか?」についてです。考えると逆によくわからなくなるんですよね~。
だってこの世の中に本なんてホントに必要なのか?無くても困らない人たくさんいるんじゃない?なんて、思ってしまったりするんですよ。
お店に「うちの子、全然本読まなくてゲームばっかりしてて困ってるんですけど、この子でも読める面白い本教えてください!」なんて、お子さんを半ば強制的にお店に連れて来られて、そう言われた時の私の気持ちは正直に言うと「そんなのわかるか!」なんですよね~。
それに続けて思うのは「今日、初めて会った子に合う本をすぐに探し当てられる人に私はなりたい。」ということと、「そんなに無理してまで本を読まなくても、生きていけるからいいんじゃないか?」です。もう本屋として失格だと思います。そんな時、もう辞めたいと思います。少なくとも週に一度くらい思います。
でも、続けているのはやっぱり「本を読むと、感動したり、泣けてきたり」普段のなんてことのない日常からは感じない感動とか悲しみとか感じられたりもしてるからなのかな、そしてそれを誰かと共有したいと思っているからなのかなとか思ったりして。
だって私、もうホントに人生経験豊かでは全くない、半引きこもりみたいな生活なのに、頭の中だけはいつもお花畑で実に豊かだと自分では思ってます。これはきっと本のおかげ。机の上やベッドの中でどこへでも行けるし、なんでもできるしね。でも逆に想像しすぎて実際には何もできないってこともあるのか?なんて思ったり。難しいですね。
そんな時、この文章を読んだんです。書いたのは、以前この番組でもご紹介した赤木かん子さんです。この方もうホントに尋常じゃないくらい本読んでるんですよ、ずーと小さい時から今も、漫画とか最近の若者の流行りとかなんでも詳しいです。とにかく好奇心旺盛で、虹色の髪の毛をしてるんですよ。そんなかん子さんが、「MILK JAPON」という雑誌に書かれた「本と出会う時」というエッセーです。もうこれに尽きるな!と思いました。私のモヤモヤを晴らしてくれてありがとう!かん子さん。
どうですか?これを読むと、やっぱり絶対に本は読んであげなくちゃ!ってなりませんか?
しかも、5歳前後までにスイッチが入るかどうか決まるなんて。キャー、大変。
ちなみに、私、今お笑い芸人のEXIT兼近君が大好きなんですが、このエッセーの自転車を盗んだ子の話を読んだときに彼の顔がパッと浮かびました。兼近くんは、昔悪いことばかりしていて留置所に入っていたことがあるそうです。でもその場所で本を読み始めたことで、彼自身の考え方が変わっていったという話を聞きました。これを聞くと、あれ?5歳じゃなくても変われるんじゃない?とも思ったし、もしかしたら彼の場合は、きっと眠っていたスイッチが再び入ったという感じですかね?
それくらい、やっぱり本には力があるんだ!と思いました。だってきっと、本を読んでいないままだったら目の前の欲望の先にあることを想像することができないままだったと思います。
いろんな意味で、本読むの大事!って話でした。
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
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