• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2021.11.03

「本屋のあかり」紹介本 『エルマーのぼうけん』

276 『エルマーのぼうけん』全3冊 ルース・スタイルス・ガネットさく ルース・クリスマンえ わたなべしげおやく 福音館書店 3600円 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』 前沢明枝 福音館書店 2000円

この本、帯には「世界中で愛されている、親子三代必読のロングセラー」と書いてあります。ついでに、読んであげるなら5歳から自分で読むなら小学生から。とも書いてあります。そうですね、日常的に絵本の読み聞かせをしている保育園ならば年長クラスで先生が読んであげてみんなで盛り上がる本かな?と思います。そして、小学1年生になったので一人で読めるような本ありますか?と聞かれた場合にオススメするのがこの本ですね。日本で出版されたのが1963年なので58年経っているので、親子三世代と言っても言い過ぎではないですね。でも、残念なことにまだ読んだことなーいという方のために少し説明しますと、エルマーのお話は全部で3冊です。どれも愉快で素晴らしい冒険ばかりです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この本を、なぜ一人読みを初めてする小学校1・2年生にオススメするのかと言いますと、まず装丁がしっかりとした単行本サイズであることと、きちんとした地図が付いていて、お話しが章ごとに分かれていて、挿絵も絶妙なわりあいであり、男の子が好きな冒険の話。苦労して読み終わった時に結構な満足感を得られると思うんです。
まあ、そんなことより、なぜ私がこの本を皆さんに紹介しようと思ったかというと、この「エルマーのぼうけん」を書いたルース・スタイルス・ガネットさんの人生を聞き書きした本を読んでこのおばあさんがとんでもなく面白い人だということを知ったからです。まず、この冒険話を書いたのが女性であり、しかも22歳の時にスキー場でのアルバイト中に雪がなかなか降らずお客さんも来なくて「たいくつだからお話でも書こうかなあ」と思って描き始めたんですって!『エルマーのぼうけんをかいた女性 ルース・S・ガネット』は、何も知らなかった私にとっては驚きの発見がいっぱいあり、そんな彼女だからこそこの物語が描けたんだと妙に納得してしまいました。
このルーシーさんの生い立ちも面白いのです。ルイス、通称ルーシーのお父さんお母さんはともに社会問題を取り上げる雑誌の記者として働いており、後に離婚し、お父さんは編集者、お母さんはアメリカの年金制度を作り上げるという重要な仕事につくなど時代の先端にいて、ルーシー自身も普通とはちょっと違う学校に通い、自分の意見をしっかり持った好奇心旺盛で正義感の強い女性となりました。そして、「エルマーのぼうけん」を書いた後は7人の子どもの世話が楽しくすっぱりと本を書くことをやめてしまいます。ルーシーは、「エルマーの物語を書いたのは、わたしではないの。わたしのなかの子どもが書いたの」とも語っています。
この方、1923年生まれでまだ亡くなられたというニュースは聞いていないので98歳ということになりますね。

あかり
あかり

本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

この記事をシェア

同じカテゴリーの最新記事

さらに見る