• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2022.02.28

「本屋のあかり」紹介本 『わたしはオオカミ』

『わたしはオオカミ 仲間と手をつなぎ、やりたいことをやり、なりたい自分になる』 アビー・ワンバック 寺尾まち子訳 海と月社 1540円

この本は、NHKEテレの「理想本箱」という番組の中でBACHディレクターの幅さんがオススメしていた本です。
この「理想本箱」と言う番組は、悩み多き10代の漠然とした不安や悩み、好奇心に答える一冊を、世界の数えきれない本の中から見つける、プライベートライブラリー。と名打ちまして2021年12月に3週にわたって放送され、幅ファンの私も楽しみにして観たのですが、どの回もすっごく良かったです。この間、ウチのたかさき絵本フェスティバルに講演にいらした際に聞いたところによるとこれから後5回放送される予定だとのことなので、ぜひぜひ見てみてください。毎回取り上げるテーマが素晴らしくて、「もう死にたいと思った時に読む本」とか「将来が見えない時に読む本」など、そんな追い込まれた時に本なんて読むかなぁなんて思ったり、でもそんな時こそ救いを求めて読むのかななんて考えたり。また、私のように本を朗読するのではなく、俳優さんが本のテーマを演じて見せてくれる「映像の帯」と言うものがあり、とてもわかりやすくできています。
今回ご紹介する本は、第二回目に放送された、「同性を好きになったときに読む本」と言うテーマの回で3冊紹介されたのですがそのうちの「ひとりではなく連帯しよう!励ますスピーチ」として紹介された本です。元女子サッカーアメリカ代表、アビー・ワンバックさんがサッカーを引退してまもなく、一流女子大であるバーナード大学の卒業生のために述べた祝辞が元になってできた本です。
そこでアビーは、女性の存在をオオカミに例えました。その理由は「1995年にイエローストーン国立公園で、70年間いなかったオオカミが人間によってはなたれたことにより、動植物の生態系が再生し、安定した。という話を取り上げ、多くの人々から現在のシステムをおびやかすと恐れられている存在イコール女性が実は社会の救世主になるのだから!」だそうです。だから、戦うのだ!それも群れで!もう古いルールはいらない。新しいルールを作るのだ。と伝えたのです。
なんてカッコいいのでしょう。世界中の全ての女性たちに贈りたい言葉ですね。アビー・ワンバックさんは、女子ワールドカップやオリンピックの時に試合を観ていましたが、めちゃくちゃカッコよくて強い選手で、私は日本を応援していましたがこの人だけは別でしたよね~。
また、同性愛者であることを公表し、女性と結婚されて、二人の女の子のボーナスママともなりました。
そんな彼女が、現役を引退した際に、ESPNというテレビのスポーツチャンネルから表彰され、NBA(プロバスケット)を引退するコービー・ブライアントとNFL(プロアメリカンフットボール)を引退するペイトン・マニングと共に表彰式にのぞんだ際のエピソードが彼女の全てを表しているようで感動したので、読んでみます。・・・・・・・・・・・。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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