• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2023.08.07

「本屋のあかり」紹介本『たまごのはなし』『いちじくのはなし』

『たまごのはなし』『いちじくのはなし』しおたにまみこ ブロンズ新社1210円

わたしこの世には2種類の絵本があると思っています。ひとつは、子どものためのえほん、もうひとつは大人のためのえほんです。
今回ご紹介するこの絵本はどう考えてみても大人のための大人が喜ぶ絵本です。もちろんそれがダメだとは言っていません。でも、最近この手の大人向け絵本いっぱい出てるなーって思うんです。ひとつのジャンルと言ってもいいくらい。特徴は、まず絵がとてもキレイ、そしてお話の内容が少し長めで哲学的。ちょっと不思議~な雰囲気のする絵本たちです。この手の絵本は、わざわざお客様におすすめする必要はありません。ほんの少し多めにそして発売されたらすぐにお店に置いておけば自然と売れていきます。この手の絵本が大好きな情報通の大人のお客様がサクサクと買っていかれます。そんな絵本たちです。
私も、いい大人なのでこの手の絵本も大好きです。何が良いかって、「このくらいの長さだと年長さん向けかな?」とか「こんな暗い絵じゃ子どもは喜ばんだろう!」なんて気にしなくて読めるところです。純粋に大人の私が面白いと思えるか、グッとくるかどうかで判断できるので楽に読むことができます。その点、この2冊「合格です」なにより、出版社が、原宿に会社があるブロンズ新社なので、装丁からしてオシャレ!そして、第一弾の『たまごのはなし』も良かったけれど次に、微妙にはずして『いちじくのはなし』って。なんだかあやしくって良いですよね。私いちじくって大好きなんです。ずっと食べたことなかったんですけど、5・6年前から近所のお庭に実っているものをたくさんいただくようになってからメチャクチャハマってしまいました。見た目はとても気持ち悪いし触った感触も、もいだ時に出る白い汁みたいのも「うへー」って感じなんだけれどお鍋にぶち込んで赤ワインをドボドボ入れて蜂蜜をドロドロ流し込んでグツグツ煮込んだら。あーもー想像しただけで涎が出ます。なんでこんな気持ち悪い見た目からは想像できない芳醇で味わい深い味になってしますの君は!って感じです。さて、そんな怪しさ満点のいちじくさんのお話会で語られるいちじくさんの大冒険のお話です。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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