2025.04.29
「本屋のあかり」紹介本『青い絵本』
『青い絵本』桜木紫乃 実業之日本社 1,540円

この本は、まずタイトルの『青い絵本』からもわかるとおり、4つの短編がいずれも本にまつわることを絡めて進んでいきます。そしてこの表紙の青い色がとても印象的です。もうこれは「本屋のあかり」としては買わないわけにはいかんでしょう。ということで、読んでみました。「大人のための絵本講座」とか「絵本セラピスト」とか「絵本作家」とか「編集者」とか気になるワードがたくさん出てきて、ひとつひとつの物語にコメントしたくなっちゃうんですが、時間もないのでその中から・・・・・
私が一番気に入ったのは四作目の「青い絵本」でした。このお話は、絵本作家のたかしろこうこが、かつて3年間だけ結婚生活を送っていた時に一緒に暮らしていた夫の子ども・美弥子に自分の死期が迫ってきた時、自分の文章に絵を書いて欲しいと頼みに来たところから始まります。イラストレーターとなっていた美弥子は、そのゲラを読んだ途端に使いたい色まで浮かんできます。この、なんというかモノを作り出す人の感性や情熱って作り出せない人間側からするととても不思議でよくわからない世界なのですが、それをとてもよく写しとっている場面だなと思う箇所があって「あー、こうして生み出されるんだな」とワクワクしました。
あかり
あかり
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。