「本屋のあかり」紹介本『ドリトル先生航海記』
『ドリトル先生航海記 100周年記念版』ヒュー・ロフティング 金原瑞人・藤嶋桂子 共訳 竹書房 1,980円

以前、岩波少年文庫版の『ドリトル先生のサーカス』をご紹介したことがあるのですが、今回は竹書房から出ています『ドリトル先生航海記』です。私がどうしてこの本を取り上げようと思ったかといいますと、同じ本で翻訳者が違うバージョンを3パターン発見したからです。私が昔読んだのが井伏鱒二の訳で、今回読んだのは大学の時、授業をとった事のある金原先生とそのお弟子さん(おそらく)、そしてもう一冊、新潮社から福岡伸一先生が訳された版が出版されていました。福岡先生版は、手に取ってみたのですが「です・ます調で、やけに丁寧口調」で書いてあり、私には無理だったので読むのやめました。金原先生のは「さすが!」という感じで読みやすく、すっごくおもしろかったです。ちなみに当社比ですよ。
金原先生版は、100周年記念版で完全新訳と書いてあり、訳の違いで読みやすさや読む心地など色々違いが楽しめるのでは?と思い、手に取ったのですが、なんだか、別次元に読みやすくおもしろかったです。なんでかな?と思ったら、航海記より前に出ていた『ドリトル先生アフリカへ行く』の訳者あとがきに全て書いてありました。読んでみてください。
他の本も、これを機会にさまざまなパターンの別の人の訳文で読んでみるのもおもしろいなと思いました。そんなので読書感想文とか書いたらどうだろうか?
いや、これは自由研究の部類になるのか?
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
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