「本屋のあかり」紹介本『虹色パズル』『変化球男子』
虹色パズル』天川永人(てんかわえいと)作 文研出版 1,650円 『変化球男子』M・G・ヘネシー作 すずき出版 1,760円

この2冊は、いろんな問題を抱える子どもたちと周囲の人々についての関係を描いたり、問題提起している小説です。『変化球男子』は、2016年にアメリカで『The Other Boy』という題で出版されていて、『虹色パズル』は2023年に日本で出版されています。
現在ではもう、当たり前のように見たり聞いたりしている「LGBTQ」や「発達障害」についての映画や小説ですが、私が初めてお話しの中でこの問題に触れるようになったのは20年ほど前になります。当時「YA(ヤングアダルト)」という絵本・児童文学・一般書とは別のジャンルとして図書館や本屋にコーナーが設けられ「大人でも子どもでもない中学生・高校生の今に寄り添う本」というものがたくさん出版され、話題になった時代があったのです。その界隈では。そのほとんどは、アメリカや北欧からの翻訳小説でした。いわゆる里子というか養子に出された子どもや親に虐待された子ども、シングルマザーの家庭や二人のお父さんが子育てしていたりその逆も。それから、乱暴で落ち着きがないので親に病院に連れて行かれ薬を飲まされてすっかりやる気も活力も失ってしまった子とか親が飲んだくれでヤク中になっていて悲惨な生活を送っている子の話とか。「おいおい、世界は大丈夫か?とんでもない世の中になってるんでない?」なんてまるで他人事のように読んでいた書物たち。「欧米で今起こっていることはのちのち日本にも必ず起こる」なんて言われていましたが、あれから10年20年たち、どうでしょう日本社会?そんなに酷くない?それとも私が現実を知らないだけ?
『変化球男子』は十年前のアメリカのお話なのですが、現在もこんな感じなんですかね?主人公のシェーンは3歳の頃からずっと自分は男の子だと思いながら生活してきてとうとう体の性を変えていく治療を開始することになります。その時、先生に言われた言葉がすごくストレートで私の胸に響きました。
こんなに具体的に書かれてあることで、もし、この本を手に取った子が現実に自分の心と体の性に違和感を感じている子だったとしたら、とても参考になるし、救われるかもしれないのでは?と思いました。私、こういう本読むといつも思います。実際に読んだ子の話が聞きたいなと。
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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