• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2023.08.07

「本屋のあかり」紹介本『映画のある風景』

『映画のある風景』 志尾睦子 SDI総研 1000円

この本は、先日、久しぶりにシネマテークたかさきに映画を観に行きまして、購入しました。
自分の遠い記憶をさかのぼりますと、高崎映画祭との出会いは小学生の頃に親に連れられて中央公民館のホールで映画を観たことですかね。多分その頃はまだ単なる映画の上映会だったかと。その後は毎年、フリー券を使い、一日4・5本の映画を腰をさすりながら観たり、朝6時くらいから授賞式券をゲットするために文化会館の前で並んだり、挙げ句の果てには高校生と大学生でボランティアスタッフも経験しました。そう完全にハマっていたのです。常設の映画館、シネマテークたかさきができてからは少し足が遠のいてしまっていたのですが、心に若干の余裕がでてきた頃、また映画祭ボランティアを再開しました。そこで、しおさんに「Sio.comに時々ゲストで出てくれないか?」とのお誘いを受けて絵本のお話をしにラジオ高崎さんに伺うようになったのです。それがきっかけで熊井戸工業さんに拾ってもらい今があるという感じです。ホントにしおさんには感謝しています。それから、ウチで商工会議所に入っているので「商工たかさき」でのしおさんの連載もずっと読んでいました。たしか、「文章を書くことが好きだから、それで食べていくことができれば。」なんて話もしていたくらいだから、しおさん、本を出版できるなんて念願だったのでは?と私も嬉しくなってしまいました。おめでとう!しおさん!!
この本の中で特に印象的なところは、高崎映画祭の映写の守り神「小田橋さんのお話」です。最近ではもうボタンひとつで上映開始なんてところがほとんどですけど、その前は上映ごとにフィルムをセットし回し交換する人が必ず必要でした。そんな小田橋さんについてのエピソードです。
 私、映画祭のボランティアをやってみて思ったのですが、今の時代って、継続的にボランティアを続けるのって大変なことだなって。毎週日曜日の何時から1・2時間程度みんなでコレをしましょうっていう程度だったらそのための時間を作ればいいのだけれど、毎年2・3週間の間、朝から晩までずっとだと、できる人も限られてきてしまいますしね。主婦の人はお昼過ぎくらいまでで、その後は大学生、夕方からは社会人なんてそれぞれの人の細切れの時間を繋ぎ合わせる、なんてコンビニバイトかって感じの技量も必要になってきますしね。でも、仕事としてではなくこういう事を「好きだから!」「必要だから!!」っていう情熱で活動するっていう気持ちも、人間として生きるうえでとっても重要な事だと思うんです。だから、世の中というか社会全体でただ働く事以外に、世のため人のために自分を生かすという選択ができる世界になっていけば、というかしていかなければ!!と思うのですが、いかがでしょうか?
あと、個人的には、高崎映画祭ってお客様として映画を観に行くことも活動を支える重要な役割だと思っているので、スタッフとして参加することは難しくなってしまったけれど、毎年できる限り、観たい映画を観に行き続けたいと心に誓っています。大好きな高崎映画祭、末長く続いてほしいです。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
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