• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2021.04.28

「本屋のあかり」紹介本『おてらのつねこさん』

252   『おてらのつねこさん』  わらべうたの「おてらのつねこさん」より

やぎゅうげんいちろう さく / 福音館書店 / 1,100円

 これ、以前にもラジオで言ったと思うのですが、本や映画で自分と同じ名前が出てくると妙な親近感が湧いてきて、その作品をコレいいかもって評価したくなっちゃいませんか?
私の名前はあまり聞かない名前なので、出てくるとホント嬉しくなっちゃいます。
しかも、この絵本はあかりちゃんのキャラがいい感じに私にそっくりで、「よし、この絵本紹介しちゃおう!」と即決しました。

 最後にこんなことが書いてありますよ。

「このおはなしにでてきた ほとけさんは「せんじゅ かんのん ぼさつ」さんです。
ともだちみたいに よぶときは、かんたんに「せんじゅかんのんさん」といいます。
せんじゅかんのんさんには てがいっぱいあります。
せんじゅかんのんさんは みみかざりをつけて まきスカートを はいておられます。
なんにでもきく えらーいちからをもった、えらーい えらーい ほとけさんです。 
わかりましたか? 「あんまり よくわかりませーんじゅかんのんさーん」
はーい それでいいんです。                やぎゅうげんいちろう

 それにしてもこの絵本は、やぎゅうげんいちろうさんのこの文と絵があるからこんなに面白いものになったのでしょうね。
よくある絵本のように、「おてらのつねこさん」のわらべうたをメロディーと歌詞とイラストを付けて、こんな風に歌えば子どもが喜びますよー、世の親御さんたち真似してやってみてくださいねーなんて見せるだけのものにしないで、物語にしちゃって、しかもおもしろギャグ満載ってのが良いですよね。
恐るべし柳生弦一郎って感じですよね。

 おもしろついでに柳生さんをちゃんと紹介したいと思ってプロフィールとかをネットで探したのですが、全然出て来ませんでした。これ内緒なのですが、聞くところによると、過去にananや大人の雑誌に、かなり過激なイラストをいっぱい描いていたので、そんな自分が今、子どもの絵本を描いていることで世間のお母さんお父さんになんやかんや言われないようにあえて隠していると聞きました。
今の絵とは想像つかないくらいすごい絵を描いてらしたみたいですよ。
なんかそんなところもかっこいいなと思ってしまいました。

あかり
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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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