• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2021.04.28

「本屋のあかり」紹介本『さいごのゆうれい』

251 『さいごのゆうれい』

斉藤倫 / 西村ツチカ画 / 福音館書店 / 1,700円

 この本にはエピソードがありまして、
ある日福音館書店の本の家営業担当者の高橋さんから電話がありました。
「今回発売予定の新刊をゲラの段階で一部の書店さんに読んでいただいて感想を聞きたいと、そして売りたいと感じたら著者のサイン本を店にドーンと置いて欲しい」とのことでした。
私は、そういうのホント苦手でいつも、できません。ウチお客さん少ないので売れないし・・・なんて言って断ってきたのですが、斉藤倫さんの新刊なんですがと聞いてグラっと来てしまいました。

私、斉藤倫さんが大好きなんです。

もともと詩人さんなんですが最初に書かれた長編小説『どろぼうのどろぼん』を読んだ時から「あー、この文体が好きだわ〜」って一気にファンになってしまいました。だから、大好きな作家さんの本が発売前に読めるという誘惑に負けて、引き受けてしまいました。
でも、結果大正解でした。すっごく良い本だったから。
私初めてです、こんな分厚いA4用紙の束を巨大クリップで留めてあるだけのものを全部読み通したの。

 送られて来た時に、こんなお手紙が入っていました。

「こんにちは。福音館書店で編集をしている岡田と申します。
斉藤倫さんの児童書デビュー作『どろぼうのどろぼん』の原稿を最初に読んだ時は、全身に鳥肌が立ったのですが、この『さいごのゆうれい』を読み終えた時は、鳥肌に加えて吐き気がしました。
心が揺さぶられすぎると、どうやら吐き気がするようです。
 世界から「かなしみ」や「こうかい」が消えたのちに「大幸福時代」と呼ばれるようになる数年間のそのさいごの夏に小学生のハジメはおばあちゃんの田舎でひとりのちいさなゆうれいと出会います。
 そして、絶滅の危機にひんしているというゆうれいを救い、世界を取り戻すための冒険がはじまります。斉藤さんの描く物語は決して甘やかではなく、否応なしに冷徹なまでに「ほんとうのこと」をつきつけます。
 でもだからこそ、そこにはかぎりない、しなやかで強靭なやさしさがあります。みなさんお忙しいこととは思いますが、このゲラ(校正前のものですみません)目を通していただけましたら、とてもうれしく、ありがたいです。
そして、もし吐き気がしたら(鳥肌でも)、いよいよもってうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。」

そんなこんなで、4月10日に発売されました、この本、サイン本がたくさん本の家にありますので、欲しい、読んでみたい、という方、ご連絡ください。たぶんまだ残ってますので。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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