2022.03.22
「本屋のあかり」紹介本 『ジョコンダ夫人の肖像』
『ジョコンダ夫人の肖像』 E・L・カニグズバーグ作 松永ふみ子訳 岩波書店 2310円
最近、WOWOWで「レオナルド 知られざる天才の肖像」というドラマを観まして面白かったので、ついでにこの本も読んじゃいました。ドラマの方では、あの天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが、なんと殺人事件の容疑者となってしまうというお話なのですが、私が観てよかったなと思った点は、レオナルドの弟子となるジャン・ジャコモ・ド・カプロティ、通称サライの美しい容姿とその活躍ぶりが観られたことでした。なんだ、ただの美しさに自惚れたお馬鹿さん、だけではなかったのね。
そして、この本でも、ミラノ公ロドヴィコ、通称イル・モロのお嫁さんのベアトリチェとサライがとても魅力的に描かれていて読んでいて楽しかったです。こんなに読みやすかったし、著者も『クローディアの秘密』などの児童文学作品を書いた、カニグズバーグなのだから、この本も児童文学と呼ぶべきなのでしょうが、でも、そう読んでしまうと、読む人が限られそうで、残念です。あまりにも惜しい。大人・子ども関係なくこんなに面白いのに。特に、最後の数ページであの「モナ・リザ」はこういういきさつで描かれたのか!とわかるところがサラッ書いてあるのにお見事でした。
あかり
あかり
本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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