• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2022.12.26

「本屋のあかり」紹介本 『手塚マンガの共生する社会』

『手塚マンガの共生する社会』 手塚治虫 解題 野上暁(あきら) 子どもの未来社 1650円

私の家は、高崎駅の東側にあるのですが、最近特に便利になったと思うことがあります。群馬県がつくったGメッセ群馬や高崎市がつくった高崎芸術劇場など近隣にたくさんの文化施設ができたのです。特に、Gメッセなんて天気が良ければ自転車で行けちゃいますもんね!おまけにワクチン会場にもなっていたので、3回ともここに受けに行きましたよ私。だから、少しでも興味のあるイベントがあると行ってしまうんですよねー。高崎音楽祭のスタジオシアターでやるちょい渋めというかしっとり系のコンサートの人選が毎回どストライクで、嬉しいので、来年も期待してまーす。あと、熱帯ジャズも大好き!!ホント、サッと行けてササって帰って来れてサイコーです。なんていうのは置いておいてー、またまた気になるイベントがGメッセであったので行ってきました。我が母校の総長を昨年まで務められていた、田中優子氏の講演会があったのです。まぁ、いつ見てもお美しい着物姿で江戸の文化を研究されていてさぞやお淑やかなお方かと思いきや、とんでもなく鋭くて過激なことをおっしゃる方ですよね。そのどれもが深ーくうなづいてしまい、講演の終わりには私、立ち上がって「あなたについていきます!」と叫びたくなるほど感動したんですけど、よくよく考えてみると、ついていくんじゃなくて、自分自身で考え抜けってことだなと思い至り反省しました。なんのこっちゃと思われると思いますが、先生は「自由を生き抜く実践知」と題して女性の人権や差別に対するお話しをされました。それこそ明治の時代から、平塚雷鳥、日本国憲法の話などなど前半は「あっこれは大学の講義だわ。ヤバい眠くなってきた」って感じだったのですけれど、後半につれての夫婦別姓や家族についてなどの熱のこもったお話しに深く納得してしまいました。仕事をしていくうえで、女性は男性社会の中での競争に勝ち抜くことが平等ではない、男とか女という性別以前のところで平等であらねばばらないというところが深ーく刺さりました。
そんな講演が始まる前に、私は会場で一冊の本を買いました。それがこの『手塚マンガの共生する社会』という、手塚治虫のマンガの中から差別や偏見、暴力に屈せず生命や人権の尊重を高らかにうたうような作品を集め、掲載作品について七人の執筆者からそのテーマに沿ったエッセイを添えたものがこの本です。この本の一番最初の作品『アトム今昔物語 アトム小学校へ行く』に添えられたエッセイが田中優子さんでした。漫画の内容は、21世紀のロボット法が施行された時代にロボットの運転手がご主人様とお坊ちゃんを車で送迎中に車ごと崖から落ち、ご主人様だけが助かるという事件が起こりました。怒ったご主人様は多大な出資をしている小学校にこれからロボットが入学してくることを禁止してしまいます。入学予定だったアトムは落胆しますが、不審に思ったアトムはこの事件が起こった川まで捜索に向かいます。そこで、海底からロボット運転手の胴体部分に閉じ込められ、生きているお坊ちゃんを助け出します。しかし、ロボット法反対同盟の会長であるプライドに賭けてご主人様は自分の息子がロボットに助けられたとは認めることができず、催眠術師によってその記憶を消させようとします。一旦は消えた記憶ですがアトムによりまた記憶を取り戻したお坊ちゃんを見たロボット法反対同盟の人たちは、お坊ちゃんにもう一度川に身を投げ自力で戻ってくるように脅します。この窮地を救ったのはまたまたアトムでした。このことで懲りたご主人様は、アトムに学校への入学を許可し、めでたしめでたしとなりました。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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