• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2023.11.06

「本屋のあかり」紹介本『やまんば山のモッコたち』

『やまんば山のモッコたち』冨安陽子 作 降矢奈々 画 福音館書店 1650円     『まゆとおに』『まゆとりゅう』『まゆとうりんこ』『まゆとかっぱ』『まゆとおおきなケーキ』

私のお店では、春と秋に絵本を段ボール箱に詰めて、いろんな保育園さんに売りに行く。ということをやっているのですが、行く先々でいつも安定して人気なのがこの『まゆとおに』シリーズです。「やまんばのむすめ まゆのおはなし」で、現在5冊、出版されています。年中さんから年長さんの男女を問わず人気です。私が行く保育園は特に、外遊びや色々なことを積極的に体験させるなど、とても熱心な保育をしているところばかりなので、こういう力持ちで好奇心旺盛な女の子が元気いっぱいちょっと不思議なカッパや鬼、竜などと遊んだり対決したりするお話はピッタリなのだと思います。
そして次にご紹介する『やまんば山のモッコたち』は、そんな「まゆのおはなしシリーズ」の前身とも言える本でもう40年ほど前に出版されています。こちらは、短いお話がたくさん入った単行本になっています。絵本ではないので手に取る方は少ないのですが、やまんば山に住む山姥とその子どもまゆの一年を通した生活の様子が全部わかってしまい、何というか、大変お得な一冊だな!と思いました。しかも、その後に絵本になったカッパとのお話や山でケーキを作るお話などもすでに書かれていました。絵本との違いは、作中に啓太という人間の男の子が登場し、まゆとともだちになり一緒に遊ぶところです。また、まゆのお母さんの山姥もたくさん登場します。そしてこれがまた、かっこいいんですよ!!「母は強し」って感じで。自然界みんなのお母さんて感じでした。
この本、読んで聞かせてあげれば年長さんでも十分いけそうだと思うので、今度の本売りの時は絶対に持って行ってオススメしまくろうと心に誓いました。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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