• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2024.04.09

「本屋のあかり」紹介本『私のことば体験』

『私のことば体験』松居直 福音館書店 2200円

今年もやってきました「たかさき絵本フェスティバル」おかげさまでなんと30回目を迎えます。
私の人生うん十年、毎年毎年、気がつけばコレとともに年が明けそして慌ただしく過ぎていくという感じです。そんな記念すべき年には「やっぱりふくいんかん」ということで、今回は絵本界のカリスマ、福音館書店さんをご紹介します。
出版社といえば、花形はやはり編集者ということになるのではないでしょうか。でもでも、そもそも、編集者とは何する人ぞ?!ということで会期中にたくさんの編集者をお招きしてご自分で担当された絵本の話、編集について存分に語っていただくギャラリートークを開催します。普段、聞きたくても滅多に聞けない編集というお仕事についてあんなこともこんなことも聴けちゃいますよ!
他にも、MAYAMAXXさんの『ぱんだちゃん』と『おらんちゃん』の原画や佐々木マキさんの『やっぱりおおかみ』の原画を全点展示します。そしてなんと『スーホの白い馬』の絵もやってきますよ!!それから、月刊絵本「たくさんのふしぎ」から昨年発行と同時に即完売となりました「石は元素の案内人」と「いろいろ色のはじまり」の展示と作者の田中陵二さんがお越しくださってのギャラリートークもあります。この方なんと、高崎のご出身で豊岡小・豊岡中・群馬高専・群馬大学を卒業されたそうです。昨年、新種の鉱物として大発見された北海道石の名付け親でもあります。
また、今でこそ、大型書店のこどもの本コーナーに何歳からの絵本、乗りものの絵本などの区分けの中に福音館の絵本なんて別置されているようなブランド化された存在にまでなっている福音館書店ですが、ここまでの存在に押し上げたのがおととしお亡くなりになりました、松居直さんです。「現在の福音館書店の礎を築いた松居直さんは1926年、京都に生まれました。同志社大学卒業とともに当時、金沢の小さな小売書店だった福音館書店に入社。そこから、絵本の出版・編集に従事し、1956年に月刊絵本「こどものとも」を創刊しました。そして、数多くの絵本作家を発掘し、世界に日本の絵本を広めました。
この人がいなければ「ぐりとぐら」も「だるまちゃん」も「うさこちゃん」も「エルマーのぼうけん」もこの世になかったかもしれません。読まずに大人になることもできますが、随分と味気ない世界になっていたかもしれないですね。そんな松居直さんの功績を今回ご紹介する『わたしのことば体験』という本からたどって展示するコーナーもあります。この本の中からひとつ。松居さんが「出版文化の危機」について語っているところを少し読んでみます。・・・・・・・・・

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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