• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2024.04.09

「本屋のあかり」紹介本『ぎんなみ商店街の事件簿』

『ぎんなみ商店街の事件簿 Brother編 Sister編 』井上真偽(まぎ)小学館 各1540円

この本は、2冊同時に出ていて、しかもまぁまぁな量を両方とも読まないと真の面白さがわからないという、本好きにはたまらないが、結構大変な本です。三つの謎解き事件が起こるのですが、それをブラザー編では木暮元太、福太、学太、良太の4兄弟が推理し解決する方と内山佐々美、都久音、桃の3姉妹が解決していくという2パターンのお話になっています。私はシスター編から読んだのですが、ブラザー編の方が断然面白かったです。この2冊、両方読めばより事件がわかりやすく解けて理解が深まるというものでもないんです。解釈が違うし、どちらか一方にしか出てこないキャラがいたりしてますます謎が深まるんです。シスター編なんか、えっこれ解決してんの?って消化不良になりました。正直、シスター編で面白かったのは名前だけでした。
中学校の学校図書館で、人気のある本のようです。そう言われると「いかにも中学生くらいの子が好きそうな本だな〜。」って納得しちゃう本です。

読み終えてみて、単純にこんなお話を作れるのってすごいなーと感心してしまいました。たとえば、第一部ではぎんなみ商店街にある夫婦で営む袴田商店に営業車が突っ込んで店が壊され、運転していた男性が、そのはずみに焼き鳥の串を喉に刺さして死んでしまう。という事件が起こります。ここで両方の本に共通している情報として、この事故の目撃者が末っ子の良太だったということです。まだこの時点では姉妹と兄弟はお互いを知りませんが、商店の夫婦のために事件を解決しようと推理していきます。そしてブラザー編でたどり着いた答えはこうです。・・・・・・・・・一方、それをシスター編で解決するとこうなります。・・・・・・・・・・・

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
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