• 本屋のあかり
執筆者:続木あかり
2025.01.15

「本屋のあかり」紹介本 『センスの哲学』

『センスの哲学』 千葉雅也 文藝春秋 1,760円

この本を書いた千葉雅也さんは、以前にもこの番組でご紹介しました。大学の哲学の先生です。もともとは美大に進もうと思って絵を描いたりピアノを弾いたりしていたそうです。そんな彼が、次々と手を替え品を替え色々と噛み砕いてセンスについて説明してくれるのですが、要は・センスとは、ものごとを意味や目的でまとめようとせず、ただそれを、いろんな要素のデコボコ=リズムとして楽しむことである。・そして、センスとは、リズムを捉えるときに①欠如を埋めてはまた欠如し、というビート②もっと複雑にいろんな側面が絡み合ったうねり、という両面に乗ることである。・さらに、センスとは、意味を捉えるときに、それを「距離のデコボコ=リズム」として捉え、そこにやはり、うねりとビートを感じ取ることである。ということで分かったようなわかんないようなでも、納得できるような感じなんですけど、そう言われると、この本の表紙にありますアメリカの現代美術家ロバート・ラウシェンバーグのコラージュ作品も、私には音楽を感じるというかなんとなくピアノを横から見ているようにも見えてきたりして・・・・

 他には、何かを見たりしたときに感じる「いないいないばあ」的な存在と不在や安定と不安定のバランスについても書かれていて、「うん、これは頭で考えるより実際に体験した方が感覚的にわかるんじゃないか」と思いました。そこで、「うんうん。」と頭ブンブン振って肯定したくなる文章があったので読んでみます。・・・・・・・

 私、「センスを磨きたい」とか「センス良くなりたい」とかじゃなくて、ただ「センスとは?」というものを知りたいだけなんです。だから哲学者の考える「センス」とは?を知ることができて大変勉強になりました。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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