• 絵本のコラム
執筆:あかり
2024.04.09

林明子の絵本

「林明子 絵本作家デビュー50周年」の絵本たち

林明子さんは1945年東京生まれ。横浜国立大学教育学部美術科卒業。現在、78歳です。福音館書店からたくさんの絵本を出されています。たぶん、皆さんがご存知なのは『はじめてのおつかい』『おでかけのまえに』『おつきさまこんばんは』あたりでしょうか?どれもこれも本当に子どもの描き方が抜群に上手くて、それは絵が上手い下手という意味ではなくて、子どものドキドキハラハラしている表情がとてもよく、見ているこちらに伝わってくる絵なのです。この林明子さんの絵本を買い求めにくるお客さんからは毎度のごとく「うちの子ども(または孫)にそっくりなのよ~」と言われます。絵本の中の子どもの顔は特徴があるようでない、でも愛くるしい顔をしているので誰でもが身近にいる愛するあの子の顔をそこに見てしまうのだと思います。それが林明子の絵本が50年近く経っても色褪せない理由なのではないかと思います。

林明子さんの本というと絵本ばかりを思い浮かべられるかと思いますが違いますよ。私のオススメは『はじめてのキャンプ』です。この本は4歳以上の子ども向け、それも大人に読んでもらいうことを想定しているので絵はたくさんありますが単行本の形をしています。主人公の女の子が仲良くしているお隣のおばちゃんが小学生くらいの大きな子を連れてキャンプに行く計画を立てていました。「一緒に行きたい!」というと「小さい子は重い荷物を持って歩けないし、すぐ泣くからダメ!」と言われてしまいます。「絶対に泣かないし、頑張る!」と言うと連れて行ってもらえることになりました。さてさてどうなるでしょうか?と言うお話です。はじめてのおつかいよりハードルの高い、はじめてのキャンプ!行く前に読んでもらって、行った後に読んでもらうときっと楽しいと思いますよ!!今、本の家では「林明子 絵本作家デビュー50周年」と題して30タイトルほどを集めたコーナーを作りました。
福音館書店以外の本もありますよ!『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』ペンギン社刊は、『こんとあき』の男の子版という感じで、主人公の僕がおばあちゃんの家までまっすぐにあるいてあるいて向かうというお話です。『びゅんびゅんごまがまわったら』童心社刊は、実は高崎の滝川小学校がモデルとなって作られた絵本なんですよ。私にも少し思い出がありまして、林明子さんは十数年前に私たちが開催している絵本原画展にお忍びで見に来てくださったことがあります。絵本の絵同様に優しく柔らかーい雰囲気の漂う方でした。

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本屋のあかり(Akari Tsuzuki)
みなさん、こんにちは。絵本と童話本の家 續木あかりです。
この番組は、毎回私が気になった絵本から読み物まで、内容を読んだりしながらご紹介していきます。そして、オススメの一曲も。お気軽に聞いていただけたら嬉しいです。
毎週月曜日の9:30から15分間。木曜日の14:00と土曜日の17:00に再放送があります。

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